仔馬の日記

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ワイドショーへの眩暈

5~6年くらい前からTVのワイドショーと言われるものを見なくなりました。

 

何でも屋さんみたいな学者や評論家が、「専門外の分野についてあたかも知ったように解説」をおこない、コメンテーターと言われるちょっと弁の立つ芸能人が「一般市民」なるものを代表して「その個人の見解をまき散らす」。そんなワイドショーの無責任さに気が付いたからです。

 

それでも、ワイドショーやTV番組のなかでも一挙手一投足、極私的で断片的な情報が、ネットニュースとして垂れ流されるこのごろ。(取材や調査なんかせずに、TVで見た情報を文字に起こしてちょっと読者を煽るようなタイトルをつけて給料がもらえるんなら、わたしもWEBライターになりたいっすよ)

 

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積極的に見るつもりがなくても、ネットを眺めてると、目に入ってしまうワイドショーの情報。そんな状況で、昨日ネット経由で確認したものはさすがにアウト。

 

ワイドナショー 2018年02月11日 180211 【平昌五輪!北の美女軍団は?具志堅の愛弟子比嘉大吾&西川貴教】 - YouTube

 

国際政治学者の三浦瑠麗氏(メンバー紹介 三浦瑠麗 東京大学 政策ビジョン研究センター)による北朝鮮工作員(テロリスト)が大阪に大量に潜んでいるという発言。46′50″くらいから。

 

ここまで社会的にヘイトスピーチ*1に対する認識が広まり始めて、(日本での議論は極めて遅れているが)法的な規制が進められているなかで、「国際政治学者」を名乗るものが公共の電波を使い公然とヘイトスピーチを拡散するなんて許されるものではありません。

 

氏が、学者を名乗るのであれば、その者の発言はエビデンスに基づいていなければなりませんし、まして国際政治学者であるならば、この手の発言がいかに慎重に行なわれなければいけないことはわかっているはず。むしろ、社会に拡散されているヘイトスピーチに対して、誤った認識を正し、被害者をエンパワーメントし、対抗していかなければならない立場であるはずなのに。いや、むしろ、学者でなくても、学部生レベルでもこの手の発言をしたら、本気で怒られるやつです。

 

氏は、関東大震災の時に「井戸に毒を」という流語で朝鮮人(当時の文脈において)が虐殺されたこと*2や、第2次大戦中に日系人がスパイであるとされて収容所に入れられた過去*3を知らないんですかね。

 

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ワイドなショーだと古市憲寿さんがトンデモ発言で取上げられることがしばしばありますし、最近だとⅰPS細胞研究所で助教による研究不正で発覚しましたが、今回の発言はそれらと比べられないほど問題があると思います*4。ネットを見ていると、BPOに申し立てをした方が結構いらっしゃるよう。所属先の東京大学は、今回の発言をどう判断するのだろうか。これでお咎めなしなら、倫理委員会の存在意義すら疑いますね。

*1:

ヘイトスピーチ - Wikipedia

*2:

関東大震災朝鮮人虐殺事件 - Wikipedia

*3:

日系人の強制収容 - Wikipedia

*4:とはいえ、古市さんの同番組での劣化発言はアウトだし、研究不正ももちろんダメなことですが、研究環境を考えると同情の余地もあるなと